2012年5月30日水曜日

覚醒剤中毒、日常社会での大量乱用2

現在のわが国の覚醒剤乱用者は、そのほとんどが、
錠剤を内服するのでなく、静脈内に覚醒剤を自己投与します。
即座に性的絶頂感にも似た瞬時の快感(フラッシュ)が全身に走ります。
しかしこの異常な興奮も、本当は実際の疲労を無感覚にさせているだけで、
体内エネルギーが枯れてくると、一転して不安と狼狽が襲ってきます。
そして、再びハイな気分を求めてまた手を出してしまうのです。
覚醒剤は急速に耐性を生ずるので、
次々に強力なクスリを求める薬物依存状態となって、
からだの中の大切な臓器が荒廃していきます。
なんとか使用をやめられたとしても、数か月後に突然以前と
同様の症状が再発して(フラッシュバック)治療が困難となったりします。
さらに、覚醒剤まわし打ちの注射針がエイズウイルスを蔓延させる。
覚醒剤の害悪は個人にとどまりません。

幻覚、被害妄想、追跡妄想から家族に乱暴したり凶悪な犯罪
(通り魔殺人など)に駆り立てます。
身近な人から「やせられる」「自信がつく」「スカッとする」といった
誘い言葉についのせられ、「スピード」などの軽い呼び名で覚醒剤と
知らず引き込まれたりします。
吸入や鼻粘膜への塗布など注射器を使わない容易な服用法の出現、
覚醒剤のやみ価格の下落、薬物乱用のファッション化と罪悪感の低下、
安易に刺激を求める風潮、さらに最近の不況の長期化なども
覚醒剤の蔓延に拍車をかけています。
所持しただけで無期懲役または死刑という重罪を科している国々もありますが、
刑を重くするだけでは解決しない社会の病根へのメスが必要です。

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