2012年5月31日木曜日

後もどりできない化学物質過敏症2

後もどりできない化学物質過敏症

ただし、揮発性有機化合物は種類がきわめて多く、
それぞれの安全性を評価し許容濃度を設定することは、
非常に時間のかかることです。
その中で世界保健機関(WHO)では、
代表的な揮発性有機化合物それぞれについて
そのガイドライン値だけでなく、その総量についてもその濃度を
300マイクログラム/立方メートルと提案しています。
といっても、例えばホルムアルデヒド濃度測定用サンプリング方法についても、
国際標準化機構の専門組織で現在提案されているような状況です。
このような状況をふまえて、健康住宅研究会では、
ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、木材保存剤、
可塑剤、防蟻剤を優先取組物質とし、
化学物質の放散量が少ない健康性の高い住宅を実現するよう提案しました。


そして建築物を提供する側が、たとえばJASでF1と表示された合板や
JISでE0規格のパーティクルボードを用いる、あるいは壁装材料協会の
インテリア材料に関する自主基準(ISM)を参考にするなどして、
化学物質放散の可能性の少ない材料や施工法を選択することや、
入居者へ住まい方の説明をすることなどの必要性を説いています。
このほか、有機溶剤をなるべく用いない塗料の開発など、
さまざまな取り組みが緒についたばかりです。
化学物質の毒性について、急性毒性に関しては最もよく調べられています。
そのほか発ガン性、慢性毒性、催奇形性などもよく研究されています。
ところがアレルギーに関する毒性や、化学物質過敏症に対する毒性情報は
今のところほとんどありません。
「塩ビ壁紙に含まれる難燃剤や防カビ剤の健康への影響は?」
と尋ねられても、なかなか正確に答えられないのは残念です。

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