2012年5月30日水曜日

スズメバチの毒(共存の道をさぐりながら)1

スズメバチの毒(共存の道をさぐりながら)

毎年夏から秋になるとスズメバチの事故がマスコミに登場し、
自然との共存のむずかしさを考えさせてくれます。
このスズメバチは日本特産のものが多く。
これについては、スズメバチに襲われた
ヨーロッパ産の蜜蜂が巣穴から出て戦おうとして外で
待ち構えているスズメバチに片っ端から食いちぎられて
全滅してしまいますが、ニホンミツバチは、
狭い出入口の内側で進入してきたスズメバチを
集団で迎え撃つことで、スズメバチの攻撃からしばしば巣を
守りきることが指摘され、進化の妙を感じさせてくれます。


日本産のオオスズメバチなど蜂類をエサにする
大型のスズメバチが外国では厳重な動物検疫の対象と
なっているのはそのためです。
動物のもつ毒は、植物の毒が比較的単純な化合物で
あるのに比較すると、複雑なタンパク質系の毒素が主になります。
そして一般に動物毒のほうが毒性が強く、中毒も早く現れます。
スズメバチを代表とする蜂の毒素は、蜂の体内でタンパク質を
分解してつくられている比較的単純なタンパク質やアミノ酸です。
廃物利用というきわめて効率的な方法で低コストで
毒素をつくっているわけです。
これらの毒素は人体に入ると溶血や血球の破壊を
引き起こして毒性を発揮しますが、大量に刺されない限り、
この毒素で直接死に至ることはめったにありません。

0 件のコメント:

コメントを投稿