2012年6月1日金曜日

将来のエネルギー源、燃料電池2

将来のエネルギー源、燃料電池

燃料電池が電気を起こす原理は、非常に簡単です。
学校の理科の実験で、水の電気分解をおこなった人は多いと思います。
水の電気分解の装置は水に電気をかけて水素と酸素にするものですが、
燃料電池は水の電気分解のまったく逆の原理を利用したものです。
すなわち、水素と酸素を反応させて水を得る反応で生じる電気を
取り出す装置が燃料電池です。
燃料電池の燃料は水素と酸素であり、非常に簡単に得ることができます。
また、水素は爆発性が高く非常に危険な物質ですが、
燃料電池は水素を直接燃料として使うわけではありません。
LPガス、天然ガス、メタノールなどの化学物質から水素を
取り出しながら反応をおこないます。
したがって、貯えてある水素が爆発するなどというような事故は起きません。
安全に安定的に水素を供給し、電気を得られるしくみになっています。


この燃料電池ですが、
(1)有害物質の発生が非常に少ない、
(2)燃料源に幅があり、資源の渇枯問題に柔軟に対応できる、
(3)発電効率が比較的高い、
(4)燃料電池は発電機でもあり、電力会社からの送電ロスをなくし、
資源の有限利用ができる、
(5)電気を発電する際に発生した熱を利用できる、
というような特長があります。
燃料電池は将来、さまざまな分野で利用されるようになるでしょう。
一家に一台、燃料電池が設置される時代がくるかもしれません。

将来のエネルギー源、燃料電池1

将来のエネルギー源、燃料電池

私たちの生活にとって電気は必要不可欠です。
電気は非常に取り扱いが簡単であるということから、
さまざまな用途に使われており、今や電気は人類にとっては
生命線ともいえるエネルギーです。
さて、この電気ですが、現在は主に火力発電や
原子力発電によってつくられています。
火力発電から原子力発電に変えようという動きが出ています。
これは火力発電の燃料源である石油が有限な資源であること、
火力発電で生じる二酸化炭素や窒素・硫黄などの酸化物が地球温暖化や
酸性雨などの問題になるからです。
しかし、原子力発電も放射性物質を扱う発電であり、
発電の制御や放射性物質の廃棄物の処理問題など
大きな課題が未だ残されており、決して理想の発電方式とはいえません。


長い間、環境に対する影響や資源の有効利用を重視した
発電方式が考えられてきましたが、
新しい電気エネルギー源として燃料電池が有望視されています。
現在、燃料電池をエネルギー源とした自動車が注目されていますが、
この燃料電池とはいったいどのような電池なのか考えて見ましょう。
電池は化学反応により電気をつくり出すものですが、
燃料電池も普通の乾電池と同じように化学反応によって電気をつくり出します。
しかし、燃料電池には他の電池とは大きく異なる特徴があります。
燃料電池は化学反応を起こす物質(=燃料)を供給することにより、
連続的に電気をつくり出すことができるようになっています。
そういう意味で燃料電池は単なる電池と考えるよりも、
一種の発電装置と考えたほうが的を射ているかもしれません。

コラーゲンは、飲んでも、ぬっても、からだに良いタンパク質?2

コラーゲンは、飲んでも、ぬっても、からだに良いタンパク質?

それなら新しいコラーゲンを身体に補ってやればいいとの発想と、
精製技術の進歩から、飲料や化粧品などにコラーゲンが
添加されるようになったのです。
しかし、コラーゲンを飲んでも吸収されませんし、
皮膚にぬっても内側には浸透しません。
したがって、残念ながら、コラーゲンが本来、潜在的にもつ効用は
まったく期待できないのです。
実際、コラーゲン入りの飲料や皮膚に塗る化粧品は、
コラーゲン本来の効能をうたったものではありません。
なお、熱変性させたコラーゲンがゼラチンで、
これが飲料に入っていることもあるようです。


ゼラチンは螺旋状構造が壊れているので消化吸収されます。
ゼラチンはアミノ酸組成に片よりがあるので栄養価は高くありませんが、
古くからゼリーに、あるいは飲み込みやすい、
脂肪を摂らずにタンパク質を摂れるなどの理由で、
病院食やダイエット食に多用されています。
コラーゲンを身体の中に注入したり外科的に埋め込めば
本来の効用が期待できるので、医療では、形成外科で応用されています。
また、細胞組み込み型人工臓器の開発ものコラーゲンは不可欠です。
コラーゲンは医療の分野でますます応用されていく
タンパク質の1つに違いありません。

コラーゲンは、飲んでも、ぬっても、からだに良いタンパク質?1

コラーゲンは、飲んでも、ぬっても、からだに良いタンパク質?

コラーゲンが、飲料や化粧品などによく入っています。
飲んでも、皮膚にぬっても良いのなら、すごく万能な物質のようです。
では、どんな物質で、どんな効果があるのでしょうか。
コラーゲンは動物の構造タンパク質の一種です。
多細胞動物の身体をつくっている数百万種類ものタンパク質のうち、
量が最も多いのがコラーゲンは骨、軟骨、真皮などの結合組織に多く存在し、
自体が自らの重さでつぶれないよう支えながら、
細胞には居心地のいい場所を提供しています。
動物実験でコラーゲン合成を抑制させると胎仔の階段で死ぬことからも、
多細胞動物体を維持するのに必要不可欠なタンパク質と考えられています。
コラーゲンの構造は、アミノ酸が連なったポリペプチドと呼ばれる鎖状
のもの三本が、縄のように螺旋状になわれてできています。


多くのコラーゲンは生体内でさらに束になって膠原線維をつくっています。
この線維は、同じ重さの針金よりも強いほど丈夫なので、
身体を支えられるというわけです。
しかし、この構造ゆえの欠点もあります。
分解されにくいので、組織内に残った古いコラーゲンに
変質(分子間を橋渡しする架橋結合ができ、余分な糖が結合する)が
起こってしまうのです。
このような変質コラーゲンでできた線維は必要以上にかたくなり、
細胞の生理機能に悪影響を及ぼして、
新しいコラーゲンが合成されにくくなります。
そう、これらが、老化して皮膚にしわができたり、
張りがなくなったりする原因の一部と考えられているのです。

メラトニンは奇跡の万能薬か、若返り薬か?2

メラトニンは奇跡の万能薬か、若返り薬か?

これらのことから、メラトニンには、若返り、ボケ防止、
ガン予防(抗ガン作用)などのさまざまな効果が
あると考えられるようになり、
ついには万能薬とまで言われるようになりました。
アメリカでは栄養補助食品として売られており、
数百万人が常用しているといわれています。
日本やヨーロッパでは医薬品扱いされており、
日本ではまだ販売が認められていませんが、
アメリカから個人輸入によって入手が可能です。
体内でつくられている物質だから、長期間服用しても
副作用などがないと思われているようです。

確かに、大量に長期間服用しても、毒性がないという報告もありますが、
国内で大量服用による中毒の症例報告もあります。
また、睡眠誘発以外の効果については、
未だ研究途中で否定的な意見もないわけではなく、
はっきりしたことが確認できていません。
ただ1ついえることは、体内に存在していて本来少量で効くはずの物資を、
結果的に大量に取り入れるという自然の理に反する行為によって、
私たちのからだの健康を維持しようとしているということです。
メラトニンは、私たちのからだのさまざまな症状を改善してくれるという
可能性が高いのですが、万能薬と認められるためのデータがそろうまでは、
もう少し時間がかかるでしょう。

メラトニンは奇跡の万能薬か、若返り薬か?1

メラトニンは奇跡の万能薬か、若返り薬か?

奇跡の万能薬、あるいは、若返りの薬などといわれ、
アメリカで最も注目されている健康食品の1つであるメラトニン。
日本でも、雑誌やテレビなどマスコミでも取り上げられて話題になった。
メラトニンにはどのような作用があるのでしょうか。
メラトニンは、生物の体内でつくられる化学物質で生物時計
(体内時計)に関与し、眠りを誘発する作用があります。
メラトニンは、脳の中心部にある豆粒ほどの大きさの
松果体という器官で合成さてます。
不思議なことに夜になると大量に合成され、朝になると減少します。
それは、体内時計と考えられている脳の視交叉上核という部位が、
夜にメラトニン合成の命令を出すからです。


メラトニンは、心拍数を減少させたり、
体温を下げるなど身体各所の緊張をほぐし、眠りを誘発します。
体内で合成され、少量の服用で睡眠を誘発できるので、
天然の睡眠薬として、スチュワーデスなど時差ボケに困っている人や、
不眠の解消などに以前から利用されていました。
近年の研究の結果、メラトニンは、生後まもなく分泌が始まり、
思春期を過ぎた頃から分泌量が減少し、
高齢になるとほとんど分泌されなくなることがわかりました。
このことは、高齢者の睡眠時間が短くなることと対応しています。
そこで、メラトニンの量と年齢の関係を検討するため、
実験的にネズミに与えたところ、
寿命が延びるというデータが得られました。
そこで、メラトニンをとると若い頃の元気を
取り戻せるのではなかろうかと
思われるようになりました。
また、抗酸化作用や免疫機能の亢進、
種々のホルモンの分泌コントロールなどの作用も
もっているという報告もあります。

お茶で健康!2

お茶で健康!

最近になってお茶のポリフェノールが、
他の植物のポリフェノールと
大きく異なっていることが解明されてきました。
他の植物に含まれるポリフェノールは、
すでに大きな構造になっているのに対して、
お茶の葉に含まれているポリフェノールは、非常に小さな構造のものが
多種存在しています。
「お茶」がもつ特有の作用は、
このポリフェノールの効用ではないかと考えられています。
いくらからだにいいお茶といえども、
「薬をお茶で飲んではダメ」なのです。
それは、お茶に含まれているタンニンやカフェインが原因です。
タンニンは増血剤等に含まれている鉄分と結合してしまい、
薬がもつ本来の効き目を阻害してしまいす。


また、カフェインは痛風薬や気管支拡張薬の代謝を妨げてしまい、
いつまでも薬が体内に残ってしまいます。
お茶を飲みときに、気をつけなければならないこともあるのですね。
しかし、いずれの場合も、服用時間の前後1~2時間程度あけておけばよい、
ということなのでご安心下さい。
歴史的に私たちが最も長く愛飲しているお茶は、
中国四千年以上もの昔から、広く栽培していたと伝えられています。
緑茶、ウーロン茶、紅茶。
私たちが何気なくたしなんでいるお茶。
一杯のお茶を心ゆくまで味わいながら、心も身体もリラックスさせて、
ふと悠久の時代に思いを巡らせてみてはどうでしょう。

お茶で健康!1

お茶で健康!

ワインブームも含め、巷では健康食品と
銘打ってさまざまな食品が登場しています。
それでは、私たちにとって、最も身近な
「お茶」はどうなのでしょうか。
お茶には、その製造方法の違いにより、
大きく3つに分類することができます。
お茶の葉を発酵させないでつくる不発酵茶、完全に発酵させる発酵茶、
その中間的な存在で適度に発酵させる半発酵茶です。
それぞれ緑茶、紅茶、ウーロン茶に代表されています。
これらのお茶は、もともと同じ茶の木(中国原産のツバキ科)の葉を
原料にしてつくられています。
同じ種類の木の葉からつくったはずなのですが、
それぞれのお茶の成分は発酵の度合いによって少しずつ違っています。


代表的な成分は緑茶ではカテキン、
そして紅茶ではテアフラビンやテアルビジン、
その中間的なウーロン茶にはウーロン茶ポリフェノールなどです。
これらの物質の疫学的な効果については、
現在も多くの研究者が研究中ですが、
「発ガン抑制作用」や活性酸素を除去する「抗酸化作用」のほか、
「血中コレステロール低下作用」「血圧上昇抑制作用」「抗菌作用」など、
数多くの効用が報告されています。
また、“お茶でうがい”することにより、
風邪のウイルスの撃退に有効であるとか、
ウーロン茶ポリフェノールでは、
「虫歯予防やアトピー性皮膚炎にも有効である」
という報告もあります。

赤ワインを飲めば健康?2

赤ワインを飲めば健康?

赤ワインは果皮や種子ごと発酵させて、
できあがってから絞るので、ポリフェノールも残るわけです。
赤い果皮の色素が残るだけでなく、
他の成分も加わって赤ワインは豊かな味わいになります。
つくり方の違いから、赤ワインにも種類があって、
渋みの強いフルボディタイプのほうが、
軽い飲み口のライトボディタイプよりも、
たくさんポリフェノールを含むことになります。
渋みのもとは、タンニンなどのポリフェノールです。


ですが、ポリフェノールのためにワインを多量に飲むことは、
誰の目にも明らかな不健康のもとです。
チョコレートやお茶にもポリフェノールは含まれているのです。
フランス人は、ココアやチョコレートの類もたくさん摂取するといいます。
風邪薬を飲むとき、少々の赤ワインに限らずアルコールを口にすると、
血行がよくなって効き目がよくなることがあるそうです。
でも、アルコールを適量以上に摂取することは、お慎みください。
飲み過ぎは脱水症状になり、血液凝固を促進して脳梗塞の誘因となります。
特に脳梗塞の治療薬を使用しているときには、禁酒すべきです。

赤ワインを飲めば健康?1

赤ワインを飲めば健康?

「健康のために赤ワインを飲もう」という話が広がって、
酒屋さんの棚にワインがたくさん並ぶようになりました。
ワインの関税が下がって手頃な値段になった、
国内のワインメーカーが外国の有名ワインを輸入するようになった、
そんな事情も関係しているようです。
その赤ワインには渋みがあって好き嫌いがはっきりします。
好きな人にはとても好評の渋みですが、そうしてこの渋みが
日本人に受け入れられたのでしょうか。
「フランス人は動物性脂肪の摂取量が多いのに、
心臓病死亡率が低い」という統計結果が発表されました。
フレンチパラドクスといわれます。
すると、「これは、赤ワインをたくさん飲むからではないか」
といわれ始めました。


そこで注目されたのが、赤ワインに含まれる
ポリフェノールという物質です。
これは、ブドウの果皮や種子に多く含まれているものです。
これが抗酸化作用をもち、活性酸素のはたらきを押さえることで
動脈硬化を防いでいるといわれます。
では、どうして赤ワインなのでしょう。
白ワインはブドウを絞ってから発酵させるので、
果皮の成分はほとんど残りません。
逆に、それがすっきりとした味わいになるもとです。
うすく赤い色のついたロゼというワインもあります。
それは、赤ワインと白ワインを混ぜてつくるのではありません。
果皮ごと発酵させて色がついた頃を見計らって絞ってしまうのです。
絞ってからまた発酵を続けます。