2012年5月29日火曜日

食中毒のメカニズム2

食中毒のメカニズム

細菌毒素は、からだの特定のはたらきを邪魔し、
障害を与えたり命を奪ったりします。
例えば、かつて「いずし」や「芥子蓮根」で多くの犠牲者を出した
ボツリヌス菌の生み出す毒素(ボツリヌストキシン)は
きわめて強烈な神経毒で、
からだの神経回路を遮断して呼吸を止めてしまいます。
このボツリヌストキシンの猛毒性たるや、
なんとフグ毒(テトロドトキシン)の500倍、
青酸カリの100万倍にも達し、わずか100グラムで地球上の全人類を
死に至らしめることができるとさえいわれるほどです。
一方、仕出し弁当などを介して集団感染しやすい黄色ブドウ球菌は、
それほど強くはありませんが、次にあげるような複数の毒素を出します。


(1)α毒素とβ毒素
赤血球を破壊して酸素運搬機能を奪う(溶血毒)、
(2)δ毒素
細胞膜を破壊、
(3)ロイコジン
白血球を破壊。
黄色ブドウ球菌は、ニキビや切り傷などが化膿するときの原因菌です。
手指に傷があったり、目に病気があって眼帯をいじった手で
調理をしたために食品が汚染されるというケースがほとんどです。
さて、細菌性食中毒がやっかいなのは、
食品が食中毒菌に汚染されても見た目には
ほとんど変化がなく、気づかずに食べてしまうところにあります。
菌の混入と増殖を防ぐため、常に細心の注意を払って
食品を扱うよう心がけたいものです。

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