2012年5月30日水曜日

神経がおかされ死に至るフグ中毒2

神経がおかされ死に至るフグ中毒

ところで、同じ種類のフグでも個体によって
毒の有無や強弱に違いがみられる場合があります。
それは、TTXをフグ自身がつくるのではなく、
エサを通して外部から取り込んでいるからです。
実際にTTXを合成しているのは、海底にいる細菌たちです。
それが食物連鎖を通して、フグまで運ばれるというわけです。
フグはTTXを含むエサを好んで食べ、
卵巣や肝臓、皮ふなどに蓄積します。
それは捕食者への防衛手段です。

無防備な卵のために、卵巣に多くのTTXを蓄積する
というのもおおいにうなずけます。
不思議なことに、フグは自らの毒にあたることはありません。
フグにはTTX耐性があり、ふつうの魚の500倍くらいまでは平気です。
しかしそれ以上になれば、さすがのフグも死んでしまいます。
さて、フグの中で最も高級とされるトラフグの養殖では、
TTXを蓄積させないようなエサが与えられます。
しかし、湾の一部を仕切っただけのような養殖場では、
TTXを含んだ天然のエサをフグが勝手に食べてしまうために、
どうしても有毒のものが出てしまいます。

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