2012年5月29日火曜日

原発はトイレなきマンション 2

原爆はトイレなきマンション

再処理の分離抽出作業は、大量の試薬や機器を使用するので、
汚染を広げ放射線廃棄物の数と体積を増やします。
封じ込めていた放射性物質を開放するので、
英仏の再処理工場周辺では深刻な放射能汚染が起きています。
再処理自体がまだ確立していない、難しい技術なのです。
放射能が強い廃棄物は、宇宙、深海底、南極などに
棄てる算段がつぶれて、地下1キロメートルほどに
埋めることが検討されています。
安全性はわかりません。
アメリカの地下核実験場で、
プルトニウムが予想以上の速さで地下水脈を
移動していたことが報告されたばかりです。
深地下に埋めると再び取り出すのが困難です。
地上保管もかなりの難問ですが、まだマシかもしれません。

このほかに、放射性物質を放射能がない原子核へ
変換する消滅処理は、原理的には可能でも現実性が低い方策です。
また放射能が低い廃棄物は、
解体した原発から出るコンクリートや鉄の大部分などを
影響が小さいとして、何と通常のリサイクル市場や産廃施設で扱えるように方が
整備されようとしています。
そして忘れがちなことですが、
原子力発電のために最も大量に放射性廃棄物が生じるのは、
おおもとのウラン鉱山です。
原発で使うウランの数千倍もの重さのカスが生まれて、
野ざらしにされます。
これにはラジウムやラドンといった放射性物質が含まれ、
ラドンは大気に拡散していきます。
原発は未来世代のエネルギーの確保を理由に続けられていきます。
しかし、放射性廃棄物はもっと遠い未来の世代にまで残る負の遺産です。
目や手の届かぬ場所に棄てることを考える前に、処分問題が未解決のまま、
発生させつづけてよいのか、立ち止まって考えるべきでしょう。

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