マムシ、ハブ、ヤマカガシのヘビ毒
長い進化の過程で、唾液(消化液)が特殊化して
毒性をもつようになったもの、それがヘビ毒です。
ヘビ毒には、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)を
中心とする酵素タンパク質のほか、非酵素タンパク質、
ペプチド類、生体アミノ類、アミノ酸などが含まれます。
これらの成分が複雑にからみ合い、神経毒、壊死、
出血、溶血、凝血、凝血阻止、
血液循環障害、毛細管透過性亢進などの毒作用を示します。
主な毒作用の解説
(1) 神経毒
神経回路を遮断し、呼吸麻痺(筋肉麻痺)を起こす。
「コブラ・ウミヘビ」
(2) 出血毒
血管壁を溶かして出血させ、患部の腫れや壊死を引き起こす。
「マムシ・ハブ」
(3) 溶血毒
赤血球を壊し、酸素の運搬にあずかるヘモグロビンを溶出させる。
「マムシ・ハブ」
(4) 亢凝固毒
血液の凝固能力を奪う。出血が止まらず、腎臓に機能障害が現れる。
「ヤマカガシ」
日本にいる毒ヘビは、マムシ、ハブ、ヤマカガシの三種です。
そのなかで、咬症事故がいちばん多いのがマムシです。
都市近郊ではすっかり姿を見かけなくなってしまいましたが、
それでも7月~9月を中心に、全国で1000人近い被害者が出ています。
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